6月20日(金)より飯田美術にて『佐々木豊 卒寿展〜大学関係者・教え子等による薔薇と富士の小品展~』が行われています。会期は28日(土)まで。7月に90歳(卒寿)となる洋画界の巨匠である佐々木豊さん、さらに佐々木さんと関わりのある44人の作家の展示です。
まずはDM画像からご紹介。
『佐々木豊 卒寿展〜大学関係者・教え子等による薔薇と富士の小品展~』詳細
展示のテーマは「薔薇」と「富士」。佐々木さんが若いうちは描くまいと決めていたテーマだそうです。
佐々木豊さん以外の出展者は大学関係者や大学の教え子たち、カルチャー教室の生徒さんたち。総勢40名以上の展示なので、かなり密度が高い展示でしょう。『ハート・トゥ・アート』でお世話になった伊藤雅史(移動マッサージ)さんも参加されています。
今回は参加者の中から「佐々木豊賞」を数名、「飯田美術賞」「オーディエンス賞(来場者様の方々による投票)」が設けられており、伊藤雅史さんは佐々木豊賞を受賞されたそうです。おめでとうございます。
『佐々木豊 卒寿展〜大学関係者・教え子等による薔薇と富士の小品展~』
開催日:2025年6月20日(金)〜6月28日(土)
時間:11:00〜18:00(土日月は12:00〜17:00)
会場:飯田美術
住所:中央区銀座7-12-4 友野本社ビル 3F
アクセス:東京メトロ「銀座駅」A3出口より徒歩約5分、都営地下鉄「東銀座駅」A1出口より徒歩約3分
マップ:
↑クリックすると拡大されます。
佐々木さん以外の出展作家は、以下の方々です。
飯田 肇
池原 照代
伊藤 雅史
井上 直子
乾 露予
植田 田鶴子
漆山 麻祐子
大道 鮎子
岡谷 敦夫
岡村 由美子
小川 はる香
オギノキヨコ
金森睦子
川島 晴美
木内 匡
北田 克己
木村 晶子
齊藤 寿美
塩野 麻理
柴田 容子
鈴木(高橋)徹平
sen
平 幸代
竹中 茂美
高畠 裕幸
戸苅 武宏
塚原 克孝
中村 香織里
野本 恵美子
八鳥 七緒
原 玉美
深澤 治美
藤高 紘子
ふなこしかおる
星 聖子
堀越 淑子
森元 真弓
増川 卓嗣
松本 亮平
室町 克代
吉田 理恵
山口 美佳
山本 裕子
吉井 美穂
(五十音順)
佐々木豊さんのことを少し調べてみた
佐々木豊さんの名前は知っていても、詳しい経歴などは把握していなかったので、この機会に少し調べてみたのでシェアします。間違っている部分があったらご指摘ください。
◯プロフィール
1935年、名古屋市に生まれる。1950年、中学校在学中に美術担当の三尾公三から油絵の手ほどきを受け、その勧めで石膏と人体デッサンをはじめる。1954年、愛知県立旭丘高等学校美術科卒業。1958年、第32回国画会展品(以後出品を重ねる。63年会員に)。1959年、東京藝術大学油画科卒業。第33回国画会展で国画賞受賞(翌年第34回展で同賞受賞)。
1960年、嘉悦女子高等学校の美術担当非常勤講師(~68年)。文藝春秋画廊(東京)にて個展。1961年、東京藝術大学専攻科修了。第35回国画会で35周年記念賞受賞。1962年、第6回安井賞候補新人展(国立近代美術館、他)。1971年、第10回現代日本美術展。現代の幻想絵画展(小田急百貨店,東京)。1976年、第15回国際形象展(以後出品を重ねる)。1978年、第1回現代の裸婦展(日動画廊)で準賞受賞。1979年、第1回明日への具象展(以後出品を重ねる)。1981年、愛知県立芸術大学非常勤講師(~84年)。1982年、第4回日本秀作美術展(84年第6回展から出品を重ねる)。1987年、池田20世紀美術館にて個展。1992年、第15回安田火災東郷青児美術館大賞受賞。明星大学日本文化学部生活芸術学科教授(~2006年)。
1993年、『泥棒美術学校』(芸術新聞社)刊行。両洋の眼展で河北倫明賞受賞(以後出品を重ねる・2001年同賞受賞)。1999年、『画風泥棒―12人のアーティストの場合』(芸術新聞社)刊行。
2001年、香港「マーチーニ画廊」で個展を開催。色彩豊かな大作を現地に紹介。個展「薔薇女」(東京・名古屋・大阪・京都・横浜髙島屋)。作品が大原美術館(岡山県)に買い上げられる。2008年、台北と上海のアートフェアに出展。モナコ公国のセルジュ・リファール賞 受賞。日仏150周年記念芸術祭(大阪・パリ)クレベール賞受賞。2009年、ベトナム平和芸術賞受賞。2011年、ドイツの国際親善協会大賞受賞。『絵に描けなかった絵の話』(芸術新聞社)刊行。2017年、画集『薔薇と海』(求龍堂)刊行。2021年、『プロ画家になる! 絵で生きていくための142条』(芸術新聞社)刊行。ドイツ国際親善協会大賞受賞。2023年、『絵が売れないことを誇りに思え!』(芸術新聞社)刊行。2025年、ロサンゼルス「TAG Gallery」グループ展『LOVE JOYFUL 2』に参加。
強烈なモチーフと幻想的・象徴的な大作で知られる洋画界の巨匠。約70年にわたる創作と教壇・執筆活動を通じて、洋画の技法と思想を伝えてきた稀有な存在。戦争体験や幼少期の疎開生活から深い人間理解と強靭な心を培い、人生を芸術に昇華した人物。
<参考&抜粋>
・刈谷市美術館データベース https://jmapps.ne.jp/kariya_art/sakka_det.html?list_count=10&person_id=65
・第18回世界絵画大賞展 2022 審査員講評 https://webshop.sekaido.co.jp/feature/1575?utm_source=chatgpt.com
・「日々是好日―画家の書斎から―」第3回 https://www.hyakube.com/magazine/sasaki03/
・「日々是好日 −画家の書斎から―」第4回 https://www.hyakube.com/magazine/sasaki04/
◯エッセンス
著作などから佐々木豊さんのエッセンスをピックアップしてみました。
絵が売れないことを誇りに思え
恩師・三尾公三の言葉。2023年刊行された著作のタイトルでもある。絵だけで食う人はほとんどいないという現実を踏まえ、創造や表現に対する尊厳や信念、画家としての誇りを説いている。「完売作家」という言葉に光が当たっているからこそ、シンパシーを感じる作家は多いだろう。
多作であることが才能
「才能とは速さと量を伴う」と明言。技量よりむしろ、たくさん描く姿勢こそがプロの真髄であり、傑作へつながる道だと力説している。また団体展に参加して大型作品を描くことの大切さも語っている。
プロは立って描くがアマは座って描く
立って描くことは広い視野の獲得であり、全身で描くことにつながる。身体を動かして描くことは集中力の持続にも効果的である。
◯著作の紹介とエッセンス
『泥棒美術学校』(1993)(←クリックすると、アマゾンのページに飛びます。以下同)
モチーフ選びから構図・色彩・画材、展覧会対策に至るまで、佐々木流の技法を詳細に解説した実践指南書。10刷のロングセラー。「盗む」をただ一義的に捉えるのではなく、構図、色彩、素材、レイヤー感(マチエール)、さらに展覧会出展戦略などをひとつの流れで構成している。創作から発表・売れる仕掛けまでを解説。技法書であると同時に、思考の手がかりを与える一冊。
『画風泥棒―12人のアーティストの場合』(1999)
タイトル通り“画風を盗む”発想を正面から語る一冊。「ピカソから池田満寿夫」「絹谷幸二とデ・キリコ」など12組の対比から「どう盗み、自分の画にするか」を考察。
『絵に描けなかった絵の話』(2011)
60〜70年代の画家仲間との交流、自身の劣等感や自惚れなど、青春期の赤裸々な心情を描いたエッセイ。
『プロ画家になる! 絵で生きていくための142条』(2021)
「絵だけで食えている人は日本に5人だけ」「肩書きより実力」など、率直な回答を連ねるQ&A形式。具体的かつ説得力のある言葉で現場のリアルを伝える。構図が絵の8割を決めると言い切っている。
『絵が売れないことを誇りに思え!』(2023)
20年にわたる連載エッセイ集。大村智氏(ノーベル医学生理学賞)の跋文もあり、思想・技術・人間関係の三位一体の画家論が展開されている。人生・画壇論を集約した集大成。作品にいったん距離を取り、再評価する技法を自らの習慣として明かす。絵で食えなくとも絵を描き続ける道を補うのは“教える”ことだ、と堂々と語る。
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