活動日記

牛はのろのろと歩く! 牛は急ぐ事をしない!|活動日記:2023年1月6日

投稿日:2023-01-06 更新日:

牛はのろのろと歩く! 牛は急ぐ事をしない!|活動日記:2023年1月6日
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2023年01月06日の『ハート・トゥ・アート』活動日記です。
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表現者の言葉と活動報告を絡めた日記です。できるだけ簡単でも自分のできることを積み上げて(更新して)いきたいです。

 

今日の表現者の言葉は、高村光太郎です。

 

「牛はのろのろと歩く。牛は急ぐ事をしない。出したが最後、牛は後(あと)へはかへらない。牛はがむしやらではない。けれどもかなりがむしやらだ」(高村光太郎)

 

これは1913年に発表された高村光太郎の詩『牛』の一部を抜粋したものです。この翌年に『道程』を発表しますが、『牛』がベースになっている気がします。全文は最後の紹介しますが、かなりグッとくる内容です。光太郎は自分の置かれている状態を「牛」に投射していたのではないでしょうか。1939年には全文をしたためた書を残しています。前年に智恵子と死別したこともあり、哀しみを背負いながら進もうとする気持ちとリンクしたのではないでしょうか。

 



 

歩むこと、牛の如く……とにかく何か爪痕を

人間や機械は酷使すれば壊れてしまうし、使わなくても不具合が生じてしまいます。

 

それは活動も同様です。

 

『ハート・トゥ・アート』の活動を再始動するためには、休みは禁物です。かといって浮ついた行動も逆効果となってしまいます。

 

だから牛の如く、のろのろと、確実に。一歩一歩。

 

そんな気分でこの活動日記を書いています。

 

それに昨日の活動日記にも「決意表明のひとつとして、少しでも更新していきます」と書いてますしね。

2日目から挫折するわけにはいきません。

無理しても何か書けば、脳もゆっくり動き出します。そこから新しいアイデアも生まれてきます。

 

そんなわけで、書いているうちに新しいアイデアが浮かんできました。

 

 

・ ・ ・

 

 

今日は竹スピーカーの梅田さんとメッセージのやりとりをしました。今月に東京にいらっしゃるそうなので、お会いする予定です。楽しみです。

 

竹スピーカーについては、下記の記事などをご覧になってください。

 

参考:竹スピーカー
・特設ページ:竹スピーカー「Kaguya with moon」試聴会〜製作者「ウメダ電器・梅田寛氏」来場
https://www.heart-to-art.net/take_speaker_kaguya_listening2017.html

・試聴会からプレミア和歌山レセプション | 梅田寛さんの竹スピーカーを堪能した
https://www.heart-to-art.net/BLOG/art-activities/take-speaker-0037/

・ハートニュース「坂本龍馬のお別れ会」を影で支えた竹スピーカー
https://www.heart-to-art.net/news_20170310.html

 

では、今日はここまで!

2023年1月6日(金)

 

 

 

読めば読むほど味わい! 深い高村光太郎の『牛』

昨日の活動日記では高村光太郎とロマン・ロランの関係に触れました。

 

『道程』『智恵子抄』などの詩集で有名な高村光太郎ですが、そもそもは彫刻家であり画家でもありました。ブロンズ塑像「手」をご存じの方も多いでしょう。岸田劉生らと結成した第一回ヒュウザン会展に油絵を出品したりもしています。どちらかというと悩み、苦しみながら表現活動を続けた印象です。父親は彫刻家の高村光雲です。

 

今回の『牛』という詩は、そこそこ長い詩です。けっこうグッときます。ぜひ味わっていただければ。

 

『牛』(高村光太郎)

牛はのろのろと歩く
牛は野でも山でも道でも川でも
自分のきたいところへは
まつすぐに行く

牛はただでは飛ばない、ただでは躍らない
がちり、がちりと
牛は砂を掘り土をはねとばし
やつぱり牛はのろのろと歩く

牛は急ぐ事をしない
牛は力一ぱいに地面を頼つて行く
自分を載せている自然の力を信じきつて行く
ひと足、ひと足、牛は自分の力を味はつて行く

ふみ出す足は必然だ
うはの空の事ではない
是(ぜ)でも非(ひ)でも
出さないではゐられない足を出す

出したが最後
牛は後(あと)へはかへらない
足が地面へめり込んでもかへらない
そしてやつぱり牛はのろのろと歩く
牛はがむしやらではない
けれどもかなりがむしやらだ

邪魔なものは二本の角にひつかける
牛は非道をしない
牛はただ為(し)たい事をする
自然に為たくなる事をする

牛は判断をしない
けれども牛は正直だ
牛は為たくなつて為た事に後悔をしない
牛の為た事は牛の自信を強くする

それでもやつぱり牛はのろのろと歩く
何処までも歩く
自然を信じ切つて
自然に身を任して
がちり、がちりと自然につつ込み喰ひ込んで
遅れても、先になつても
自分の道を自分で行く

雲にものらない
雨をも呼ばない
水の上をも泳がない
堅い大地に蹄をつけて
牛は平凡な大地を行く

やくざな架空の地面にだまされない
ひとをうらやましいとも思はない
牛は自分の孤独をちやんと知つてゐる
牛は食べたものを又食べながら
ぢつと寂しさをふんごたへ
さらに深く、さらに大きい孤独の中にはいつて行く

牛はもうと啼いて
その時自然によびかける
自然はやつぱりもうとこたへる
牛はそれにあやされる

そしてやつぱり牛はのろのろと歩く
牛は馬鹿に大まかで、かなり無器用だ
思ひ立つてもやるまでが大変だ
やりはじめてもきびきびとは行かない

けれども牛は馬鹿に敏感だ
三里さきのけだものの声をききわける
最善最美を直覚する
未来を明らかに予感する

見よ
牛の眼は叡智にかがやく
その眼は自然の形と魂とを一緒に見ぬく
形のおもちやを喜ばない
魂の影に魅せられない

うるほひのあるやさしい牛の眼
まつ毛の長い黒眼がちの牛の眼
永遠を日常によび生かす牛の眼
牛の眼は聖者の目だ

牛は自然をその通りにぢつと見る
見つめる
きよろきよろときよろつかない
眼に角(かど)も立てない
牛が自然を見る事は牛が自分を見る事だ
外を見ると一緒に内が見え
内を見ると一緒に外が見える
これは牛にとつての努力ぢやない
牛にとつての当然だ

そしてやつぱり牛はのろのろと歩く
牛は随分強情だ
けれどもむやみとは争はない
争はなければならない時しか争はない
ふだんはすべてをただ聞いている
そして自分の仕事をしてゐる

生命(いのち)をくだいて力を出す
牛の力は強い
しかし牛の力は潜力だ
弾機(ばね)ではない
ねぢだ
坂に車を引き上げるねぢの力だ

牛が邪魔者をつつかけてはねとばす時は
きれ離れのいい手際(てぎは)だが
牛の力はねばりつこい
邪悪な闘牛者(トレアドル)の卑劣な刃(やいば)にかかる時でも
十本二十本の鎗を総身に立てられて
よろけながらもつつかける
つつかける
牛の力はかうも悲壮だ
牛の力はかうも偉大だ

それでもやつぱり牛はのろのろと歩く
何処までも歩く
歩きながら草を食ふ
大地から生えてゐる草を食ふ
そして大きな体を肥(こや)す
利口でやさしい眼と
なつこい舌と
かたい爪と
厳粛な二本の角と
愛情に満ちた啼声と
すばらしい筋肉と
正直な涎(よだれ)を持つた大きな牛

牛はのろのろと歩く
牛は大地をふみしめて歩く
牛は平凡な大地を歩く

 

以上

 

 

今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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