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エコロジーの本質とは目に見えない部分を精神で見極めようとする姿勢|活動日記:2023年02月03日

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エコロジーの本質とは目に見えない部分を精神で見極めようとする姿勢|『ハート・トゥ・アート』活動日記:2023年02月03日

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2023年02月03日の『ハート・トゥ・アート』活動日記です(19/300)
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表現者の言葉と活動報告を絡めた日記です。簡単でも、短くても、活動の一環として雑文を積み上げて(更新して)いきます。「19/300」というのは、「毎日は無理だけど、2023年には300回くらいは書きたいな」という願望が込められています。そういうことで今回で18回目の『ハート・トゥ・アート』活動日記です。

 

まずは表現者の言葉です。

 

今回は、南方熊楠(1867-1941)(←クリックすると関連ページに飛びます。以下同)です。

 

柳田國男からは「日本人の可能性の極限」と称された知の巨人です。粘菌の研究で知られていますが、あらゆる生物(自然や宇宙を含む)のつながり重要性を説き、エルンスト・ヘッケルの提唱した “ エコロジー ” という思想を独自に展開したことでも知られます。

 

そもそも南方熊楠は和歌山県出身ということもあり、神的な……いわば見えないものに対するつながりを強烈に意識していたと思われます。

 

さて、言葉はこちらです。

 

「目に見えない部分で全生命が結ばれている」(南方熊楠)

 

南方熊楠の “ エコロジー ” という思想は、単なる自然保護というレベルではありません。現代社会で提唱されているエコロジーとはまったく異なるといってもいいでしょう。

 

南方熊楠の “ エコロジー ” とは、生命のつながりを尊重し、多面的に全生物(自然や宇宙、精神や社会、歴史や文化、ミクロとマクロ、目に見えるものと見えないものなど)を見極める行為だったと思われます。

 

なぜこんな話を書いたのかは後半で。

 



 

 

2023年02月03日は横浜中華街「ギャラリーartTruth」の如月愛 展へ

02月03日はブログでも紹介した如月愛さんの個展へ行きました。

 

展示の印象はツイッターでも紹介しましたが、作品を通じて “ 何か ” を感じさせられました。

 

 

帰りながらつらつらと展示で感じた “ 何か ” のことを考えているときに浮かんだのが南方熊楠のことでした。

 

あらゆる生物を、そして森羅万象を見極めようとした南方熊楠の姿勢と、今回の如月さんの「Naru」から派生した展示には非常に近いものがあるように感じられました。

 

 

 

森羅万象を見つめた南方熊楠が行き着いた「南方マンダラ」

南方熊楠の “ エコロジー ” という思想は、最終的に「南方マンダラ」に結実化していきます。

 

それがこれです。

 

エコロジーの本質とは目に見えない部分を精神で見極めようとする姿勢|「南方マンダラ」

引用:土宜法龍宛書簡(南方マンダラほか)
https://www.minakata.org/facility/collections/minakatamandala/

 

 

これは1903年7月18日付書簡の中に描かれたものです。和歌山県那智村(現那智勝浦町)で南方熊楠が執筆に没頭していたときに描かれたものです。

 

ちなみに南方熊楠はこの図について、「この世間宇宙は、天は理なりといえるごとく(理はすじみち)、図のごとく(図は平面にしか画きえず。実は長、幅の外に、厚さもある立体のものと見よ)、前後左右上下、いずれの方よりも事理が透徹して、この宇宙を成す。その数無尽なり。故にどこ一つとりでも、それを敷衍(ふえん)追及するときは、いかなることをもなしうるようになっておる」と解説しています。

 

……わからん(汗)。平面ではなく、立体として想像して見ることが大事なことはわかった(苦笑)。

 

 

 

「南方マンダラ」と「如月マンダラ」

残念ながら私は「南方マンダラ」についての理解が足りません。南方熊楠の解説を読んでもピンときません。

 

しかし、「南方マンダラ」は紛れもなくアート(南方熊楠の感じ取った世界を具体化したもの)と呼べるものです。

 

目に見えない部分を精神で見極めようとする姿勢の結果であり、自然に自分の中から湧き出た?(外界から取り込んだものを自分を通じて形にした?)ものであり、宗教的な枠組みを超えた「生命の真理(真髄)」のようなものを感じさせられます。

 

これが南方熊楠の求めたエコロジーの本質だったのでしょう。

 

 

・ ・ ・

 

そこで、あらためて今回の如月さんの作品を見直すと、「南方マンダラ」に似たような部分があるとも感じさせられました。

 

たとえば、この作品。

 

2023年2月3日、横浜中華街「ギャラリーartTruth」の如月愛 展

 

 

形から見て、技法的に見て、意図を感じ、作品自体を自分の中に取り込み、自分なりに想像して咀嚼した結果として、私は「南方マンダラ」へと辿り着いたことは紛れもない事実です。

 

・ ・ ・

 

「ギャラリーartTruth」のサイトでは如月さんの作品をすべて見ることができます。

 

こちらです。

 

参考:
・「如月愛個展 -Naru- 」作品画像
http://www.yccp.jp/art-truth/images/shop/20230129_kisaragi.pdf

 

「Naru」から派生した如月さんの展示は、非常にインスパイアされた展示でした。それは「如月マンダラ」ともいえるような世界だったともいえます。

 

 

 

如月さんは7月末から銀座K’s Galleryで個展開催

今後、如月さんは7月末から銀座K’s Galleryで個展を開催する予定です。

 

どういった内容になるかは不明ですが、現時点では「Naru」の延長線上にあるものになりそうです。

楽しみです。

 

そして、その先には「まんまるくん」も。

こちらも楽しみです。

 

では、今日はここまで!

 

2023年02月03日(金)

 

以上

 

 

今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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『ハート・トゥ・アート』渡辺です。どうぞよろしくお願いいたします。イラストは如月愛さんが描いてくれた「まんまる似顔絵@なべバージョン」です。

地域密着型アートフリマの老舗的存在である『ハート・トゥ・アート』代表。アート全般の情報から、『ハート・トゥ・アート』でお世話になったアーティストさんたちの展示&イベント情報、活動日記など、表現活動にまつわることを中心に記事にしています。

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