展示紹介

内包する問題に作家自身がストレートに向き合った「闘争か逃走 Fight / Flight 」展

投稿日:2018-05-05 更新日:

『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。5月5日ですか。各地で楽しいイベントが行われたことでしょう。笑顔の時間は大切です。。。とはいっても思うようにいかない部分も多々あります。しかし、どんな状況でも笑えるのがイチバンなんでしょうね。

内包する問題に作家自身がストレートに向き合った「闘争か逃走 Fight / Flight 」展〜両国「ART TRACE GALLERY」

心に響いた両国「ART TRACE GALLERY」の橋本佐枝子さん企画グループ展

先日、Yumiko Yamanoさんの写真展「re-」で両国へ行きました。

Yamanoさんの展示感想はこちら。

Yumiko Yamano 写真展 「re-」は5月3日まで。合わせてGWの両国散歩もオススメです

 

あまり行ったことがない場所に行くときには、周辺にギャラリーがあるかどうか事前にチェックするのが習慣になってます。

以前は何も考えずに気の向くままに動いていましたので、ちょっと打算的な感じもします。まぁ、それもアリなんでしょう。思いがけない出会いの呼び水になりますから。

 

両国周辺を索して出てきたのが「ART TRACE GALLERY」

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展が行われているようでした。

 

展示タイトルはアメリカの生理学者、ウォルター・B・キャノンが90年ほど前に提唱した「戦うか逃げるか反応(fight-or-flight response)」からきています。

「戦うか逃げるか反応」は「戦うか逃げるかすくむか反応(fight-or-flight-or-freeze response)」とされることもあるようです。

世の中の動きをこの考えに当てはめると、すごく分かりやすくなります。

例えば政治的な問題が起きた場合、私たちの反応は「戦うか、誤魔化すか、思考停止するか」のどれかに当てはまってしまいます。

人間の反応を理論化するって面白いですよね。

この人がウォルター・B・キャノンさんです。

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展。展示タイトルはウォルター・B・キャノン「戦うか逃げるか反応(fight-or-flight response)」
By Bachrach ([1]) [CC BY 4.0], via Wikimedia Commons

 

ウォルター・B・キャノンはホメオスタシス(恒常性。生物が自身の内部環境を一定の状態に維持しようとする仕組み)の考えを提唱した学者でもあります。

 

・ ・ ・

 

アーティストの生き様はいろいろあるでしょうが、自己の意識とどのように向き合っていくかが大きなポイントの一つです。

自己と精神性と向き合い、それをどのように形にして他者に見せるのか? どこで折り合いをつけるのか?

「作家ならではの恒常性」ともいえる精神的な部分での闘いが「闘争か逃走 Fight / Flight 」展のテーマだったと思いますが、その意図は充分こちらに伝わってくる内容でした。

それぞれのストレートかつ雄弁な展示からは“アートらしさ”をたっぷりと感じさせられました。

見る側の私もあれこれと考えさせられました。

思いがけず出会った刺激的な展示に感謝です。

やはり知らない場所に行くときは、ある程度の情報は事前に調べておいた方がよさそうです。

 

 



 

 

展示は5月20日(日)まで。13日(日)のアーティストトークは行く価値大です

ウォルター・B・キャノン絡みの話が長くなりました。

サクッと展示内容や感想などを。

 

これがDM画像。

内包する問題に作家自身がストレートに向き合った「闘争か逃走 Fight / Flight 」展〜両国「ART TRACE GALLERY」

実際は文字の部分が型抜きされていました。こだわりを感じました。

参加されていた作家さんは、木村宙さん、コヤマイッセーさん、霜焼きトマトさん、橋本佐枝子さん、三ツ井優香さんの5名。

 

展示の様子をいくつかご紹介します。

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展。橋本佐枝子さんの展示

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展。橋本佐枝子さんの展示
企画された橋本佐枝子さんの展示。心理学を修め、現在は児童養護施設で働いてらっしゃるそうです。

巨大なフェイクファーの可愛いオブジェに目を引かれます。そして幼少時の写真から自分を切り抜いた展示。さらに写真は撮ってませんが、幼い頃に自身が書いた物語の分析など、どれも非常に興味深かったです。

アーティストに限らず、「自分って何者なの?」なんて考えることがあると思います。こういう形で自分を透視する作業ってすごく共感できました。

 

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展。木村宙さんの展示
木村宙さんは美大卒業に自衛隊に入隊した経歴を持ってらっしゃる方。このTシャツには自衛隊時の射撃訓練での“弾痕が残った的”がプリントされていました。弾痕は本人が撃ち込んだものだそうです。

木村さんの世界は私的には掴みきれない部分もあったんですが、いい意味でヤバさを感じました。

 

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展。コヤマイッセーさんの展示

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展。コヤマイッセーさんの展示
コヤマイッセーさんは大作2点を出されていました。こちらのタイトルは「絶望から生まれる希望は角笛により召還される – このままからそのままへと」

英文は作品右下に記された言葉で、シェイクスピア『テンペスト』の台詞です。

「We are such stuff as dreams are made on, and our little life is rounded with a sleep.—第4幕第1場(我々は夢と同じ物で作られており、我々の儚い命は眠りと共に終わる)」。

夢と現実……相反するような2つの価値観を合わせて昇華させた作品ということでしょうか。細部をジックリ見ているとさまざまな発見がありました。

 

写真は撮っていませんが、もう一つの作品のタイトルは「20110311」

当時の心情をダイレクトに描いた作品でした。震災という未曾有の出来事に飲み込まれてしまい、為すがままになってしまったような混乱が伝わってきます。

 

霜焼きトマトさんの巨大でクオリティの高い“停滞警報機”、三ツ井優香さんの“横並びの三つ目絵画”も面白かったです。本人がいらっしゃらなかったので撮影しませんでしたが、撮っておけばよかったです。

とくに“停滞警報機”はコンセプトに納得、共鳴する人も多いように感じられました。私的には単純に「よくこんなの作ったなぁ」と感心してしまいました。

ちなみに三ツ井優香さんはACTで丹さんの展示に参加されているみたいですね(明日、5月6日まで)。

 

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展は5月20日(日)までです。13日(日)にはアーティストトークも企画されているようです。実際に作家さんと話してみると刺激になると思います。

私は用事が入っているので行けないのが残念です。

 

「闘争か逃走 Fight / Flight 」展
会場:「ART TRACE GALLERY」
住所:東京都墨田区緑 2-13-19 秋山ビル1F
日時:2018年4月28日(土)〜5月20日(日) 12〜19時
※アーティストトーク:5月13日(日)18〜19時
休廊:木曜
最寄り駅:JR両国駅・東口から徒歩約10分くらいかな、大江戸線両国駅から徒歩約5分
マップ:

ギャラリーサイト:http://www.gallery.arttrace.org/
ギャラリーツイッター:https://twitter.com/arttracegallery

 

<作家ツイッター>
橋本佐枝子:https://twitter.com/SAEpoppo
コヤマイッセー:https://twitter.com/issey_simoyaki
霜焼きトマト:https://twitter.com/Shimoyaki

 

 



 

 

エンタメ系? アートの障害物レース??? 「霜焼組」が気になる

今回のメンバーは「霜焼組」というグループ?に属しているそうです。

「霜焼組」は霜焼きトマトさんが組長で、定期的に「ルールがある展示会」を開催しています。

アートオリンピック的なことをやりたいと思っている私としては、アートの障害物レースみたいなことをしたいと思っていたので、「霜焼組」のやっていることが非常に気になってしまいました。

「霜焼組」さんは今年の12月に第五回目の展示会を予定されているようです。そんなルールが科せられるかも含めて楽しみです。

最新情報はfacebookページをチェックしてください。
https://www.facebook.com/shimoyakigroup/

 

ではっ!

 

 

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